資格取得により看護師の専門スキル向上

患者の健康を回復させるためには適切な治療と栄養管理は欠かせません。全ての根幹となる栄養療法を担う栄養サポートチーム(NST)は医師、薬剤師、栄養士そして看護師からなり、大小問わず様々な医療機関で重要性を増してきています。

栄養サポートチーム専門療法士はNSTの一員として臨床栄養学の知識と技能を持つ栄養管理の専門家です。カテーテルの管理、栄養や食事のチェックを行いながら患者の身体状況を確認し、正確な情報と提案をNSTに与える役目があります。看護師が栄養サポートチーム専門療法士の資格を取得することで、専門スキルを向上でき、活躍の幅が広がります。

資格は一般社団法人日本静脈経腸栄養学会が認定するもので、受験資格を得るには、看護師5年以上の実務経験と栄養管理に従事した経験を有し、同学会の学術集会や教育セミナーに出席し30単位以上を獲得すること。そして、認定教育施設での合計40時間の実施修練を終了させることが必要です。認定試験は論文試験と口述試験があり、合格すれば認定されます。資格取得には受講料、認定試験受験料及び認定料などの費用と半年以上の時間を要します。

この資格取得のメリットは専門スキルを高められ、チームからの信頼が厚くなる他に、コミュニケーション能力が向上します。これは患者の状態をチームに周知徹底させたり、患者本人に自分の栄養状態を把握させる為の説明を頻繁に行うからです。またNSTを設置している施設へ転職する際には非常に有利になります。