透析室で高める専門スキル

看護師が専門スキルを高められる医療現場としては、透析室もその一つです。腎機能が低下すると、血液のろ過機能も低下してしまいます。それを補助するためには、人工的に血液をろ過する透析が欠かせません。透析での治療方法は、血液透析と腹膜透析の2通りです。血液透析は、週3日ほど通院して約4時間の透析を受ける必要があります。その一方で腹膜透析は、月1回から2回の通院で済むものの、毎日自分で透析液を入れ替えなければいけません。

透析が必要な患者に対して看護を行う看護師は透析看護師と呼ばれ、透析に関する専門性を磨くことが可能です。透析看護師の主な仕事は、透析準備からシャント穿刺、透析中の患者の観察および健康管理や指導まで多岐にわたります。専門スキルが高められる反面、その高すぎる専門性ゆえに他診療科へ戻る際には苦労するケースがある点には注意が必要です。

また、透析患者は動脈硬化により足の冷えや痺れなど、足にトラブルを抱えることが少なくありません。場合によっては、足を切断しなければならなくなってしまいます。しかし、そこに至るまでに足のトラブルに気付かないケースもあるのが現状です。そのため、患者の透析中に足の爪を切ったり、マッサージしたりと、看護師がフットケアを行うこともあります。

このような患者の生活の質を高めるための透析分野においてスキルアップを図りたい場合には、資格取得を目指すのがおすすめです。たとえば、慢性腎臓病療養指導看護師や腎不全看護認定看護師などの資格が挙げられます。長期にわたって透析看護師として活躍したいのであれば、取得しておいて損はないでしょう。